『うらなイヌッ!』第4章:新しい「出会い」 2025/02/05 10:09 Facebookでシェア URLをコピー 報告 『うらなイヌッ!』第4章:新しい「出会い」悠斗とヨリを戻してから数週間。久しぶりに付き合い始めた感覚に、紗季は戸惑いながらも、少しずつ新しい関係を築いていた。けれど――(……これでよかったのかな?)ふとした瞬間、そんな疑問がよぎる。悠斗は変わった。仕事ばかりだった彼が、ちゃんと向き合おうとしてくれているのは伝わる。でも、自分の気持ちは――?そんなある日、紗季はまたあの犬を見かけた。「……!」休日の午後。公園のベンチに腰掛けた彼女の前に、黒と白のまだら模様の犬が座っていた。相変わらず、じっとこちらを見ている。「……また君なの?」犬は静かに瞬きをする。(……この子は、一体何を伝えようとしてるの?)そのとき――「すみません、その犬……知ってますか?」突然、声をかけられた。振り返ると、そこには穏やかな雰囲気の男性が立っていた。年齢は30歳くらいだろうか。カジュアルな服装に、どこか優しげな表情。「あ、この犬……もしかして、あなたの……?」「いえ、違います。でも、少し気になっていて」男性は犬をじっと見つめながら、ふと微笑んだ。「この子、何か不思議な力を持ってる気がしませんか?」その言葉に、紗季の心が大きく揺れる。まるで、自分の気持ちを見透かされたような――そんな感覚だった。