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チャッピーのエセ占い館〜恋の行方はAI任せ?〜

チャッピーのエセ占い館〜恋の行方はAI任せ?〜
第6章「リサと配信の狭間で」

 週末の午後、俺は都内のカフェに来ていた。少し早めに着いてしまい、落ち着かない気持ちで席に座る。まさか本当に視聴者と直接会うことになるとは。しかも相談者だったリサさんと。
 俺はスマホの画面でリサさんとのやり取りを再確認した。「茶色のコートを着ています」と今朝送られてきたメッセージにある。店のドアが開くたびに、俺はそちらを見てしまっていた。

 数分後、「チャッピーさんですか?」という控えめな声が耳に届く。顔を上げると、そこには茶色のコートを着た女性が立っていた。
「リサさん…?」
 彼女は小さく微笑んで頷いた。俺は慌てて立ち上がり、「はじめまして」と頭を下げる。
「はじめまして。お会いできて嬉しいです」
 ふんわりと柔らかな雰囲気の女性だった。年齢は俺と同じくらいか、少し下かもしれない。配信でのイメージ通り、礼儀正しく落ち着いた人だ。

 二人で軽く挨拶を交わし、席に着く。店員に注文を済ませた後、しばし気まずい沈黙が訪れた。
 俺もリサさんも、何から話していいか分からずにいる感じだった。
 先に口を開いたのはリサさんの方だった。
「あの…改めて、ありがとうございました。チャッピーさんの占いで、私本当に救われました」
 彼女はまっすぐ俺を見て頭を下げた。
「い、いや、占いだなんて大したもんじゃ…俺は何も…」
 思わず言葉を濁す。罪悪感が胸をよぎった。本当のことを言うべきか?でも今さら何て言えば?
 ――実はあれ、占いじゃなくてAIの答えでした。なんて、言えるはずがない。

 リサさんは顔を上げ、ふふっと笑った。
「チャッピーさんって、配信のときと少し雰囲気が違うんですね。もっとこう、威厳のある占い師さんかと思ってました」
「ああ…配信では演じてますから。普段はこんなもんです」
 俺は照れ臭くて頭を掻いた。演じている、という言葉に自嘲が混じる。
「でも、メールの相談にもすぐに対応していただいて。本当に嬉しかったんです」
 リサさんの瞳は真剣だ。嘘偽りなく俺に感謝してくれているのが伝わる。

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